学生の皆さんへ
新入生の皆さん、在校生の皆さん今日は。
空手についてどれぐらいご存知ですか。興味はありますか。これまで空手をやってみたいと思ったことはありませんか。
強くなりたいと思ったことはありませんか。肉体的にも、精神的にも。
そんな皆さん一度は空手の道場にいらっしゃい。きっと何か感ずるものがあるはずです。部員がどんなことと向き合っているのかを、自分の目で確かめてみてください。あなた方が何年生であろうとかまいません。勿論新入生は大歓迎です。
野球はアメリカに生まれ、多くのアメリカ人が楽しんでいる、そして誇りに思っているスポーツであり、文化です。生まれたのは1839年といわれていて、日本に入ってきたのは1873年です。こんなに普及している割には歴史が浅いのには驚きです。一方、サッカーは中世のイギリスで生まれ、数百年以上の歴史をもち世界各国で、時には熱狂的に楽しまれています。そして日本に入ってきたのは、野球と同じ年の1873年と言われています。日本生まれのスポーツに目を転ずると、相撲が360年生まれと古く、柔道は戦国時代生まれですから、サッカーより少し新しい程度でしょう。でも、競技スポーツになったのは1882年です。
ではわが空手はというと、徳川時代に中国拳法の影響を受けながら、沖縄で誕生したと考えられています。ですから数百年の歴史を持っています。空手が体育部として学校教育に取り入れられたのは1905年、沖縄の中学、商業学校、師範学校ででした。でも空手を競技スポーツに変えたのはあなた方の先輩大島つとむさんなのです。大島さんは1952年にそのルールの原型を作り、慶応大学と試合をしました。そして1957年にこのルールのもと全日本学生空手道選手権が行われたのです。これがなんと世界で初めての空手公式試合だったのです。ですから、空手は日本生まれの文化で、早稲田生まれのスポーツなのです。
空手は数百年の歴史を持ちながら、競技スポーツとしては、数十年の歴史しか持っていません。でも驚いたことには、空手の愛好者は世界100カ国以上にも及ぶことです。しかも、この愛好者の広がりは、ここ数十年の間に爆発的に起こったのです。ですから空手の普及と、スポーツとしての、より一層の完成には、日本は、そして早稲田大学はもっと重い責任を持たなければなりません。
日本が、そして早稲田大学がこのような責任を果たすためには、まず強い選手を作り、世界の空手界に発言力を持つことです。次にその発言をより実り多いものにするために、空手を愛し、論理をもって世界の空手家に語りかけ、そして一つの世界組織をつくりあげていく人物を養成することです。このとき空手は新しい飛躍をみるのです。
皆さん、こんな大事な仕事の、どこか一部でも手伝ってみたくはありませんか。世界の役にたってみたくはありませんか。今われわれが必要とするのは若者の情熱とひたむきさです。部員一同皆さんのお越しを道場で楽しみに待つことにします。
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